イギリスのトリニティブイワーフを視察。アーティストが集う港の街

トリニティブイワーフとは。寂れた港にともった芸術の光

ロンドンに残る最後の灯台

18世紀にイギリス帝国の貿易の中心地となったロンドンのテムズ川は世界一の交通量を誇る河川となりました。しかしいいことばかりではなく、混雑による事故、盗難が起こり始めました。

これらを防ぐためにロンドン東部に数多くの船を停泊するための堀「ドッグ」が建設されました。これらを総称してドッグランズと呼んでいます。このひとつにインド会社により建築されたイーストインディアドックベイスンがあり、その隣にトリニティブイワーフは位置しています。

トリニティハウスは河川のより良い運行を維持するために船員、水夫、海運業にかかわる者が自主的に設立した協会でした。その後1514年にヘンリー8世から憲章を授与、1573年に紋章を受け、灯台の運営、海に浮かべるブイの製造、修理、保管の担当として活躍しました。

そのトリニティハウスが設立した作業場がトリニティブイワーフです。こうして一時は150人ものエンジニアや鍛冶屋、大工などが働く大きな施設となっていました。しかしロンドンの港としての役割が終わると共に衰退し、ロンドン唯一の灯台を残し、2000年ほどまでは廃墟になっていました。

高品質で手頃な価格の宿泊施設を目指して選ばれたコンテナハウス

2000年以降に再開発が行われ、アーティストが集う場所としてコンテナハウスなどを含む建築が行われました。

トリニティブイワーフ内にあるコンテナシティ1とコンテナシティ2は2000年と2002年に建設され、、様々な地方自治体や教育機関のワークショップ、プロジェクトなどに使われています。

コンテナハウスは、建築コスト、建設時間を大幅に削減し、計量で柔軟性のあるフレームワークであり、少なからず環境破壊を伴うコンクリート基礎を最小限に抑える建築物として捉えられています。

トリニティブイワーフに行ってきました!

トリニティブイワーフ。これがまたロンドン中心部から行きにくい場所にあります。

しかも!公式サイトでは「ジュビリーラインのキャンニングタウン駅からこれば徒歩10分です」なんて書かれていますが、これが大間違い!

現在はキャンニングタウンからの道は工事で通れず、シルバータウンウェイ通りを南下して、階段でローワー・リー・クロッシング通りに降りて、西へ。人が歩いて通ってもいいのか?と思うような道を進んで川を渡りきったところをUターンしてやっとトリニティブイワーフのあるエリアへ。

この写真の右上に移っている通りを写真の向こう側から歩いてきました。歩ける幅は1人分。車は100キロ位で飛ばして走って行きます。

本当に誰もいない。開発を待つ衰退したエリアという感じが凄い。「TRINITY BUOY WHARF」と確かに書かれているけど、色んな意味で進むのがちょっと怖い。

この辺で「この辺り一般の人は入っちゃいけない区域なんじゃないの?」という雰囲気が流れ始める…

しかしちゃっかり記念撮影はしておきました。

到着後も一般人が入っていいのかわからないまま。しかしトリニティブイワーフに車がくるたびに駐車の指示なのか?なんかで出てくるお兄さんが入っても大丈夫という合図をくれたので中を見学してきました。

もし今行かれる方はバスかDLRからがおすすめ

もし今行かれる方は(私は2018年4月14日に行きました)バスのLeamouth Orchard Place停留所か、DLRのEast India駅から歩いて行くのがおすすめです。

私は帰りはもう歩きたくなくてLeamouth Orchard Place停留所からバスに乗りました。

トリニティブイワーフ内部を視察

入ってすぐ、車に木が刺さったアートが屋根上にあるコンテナで作られたカフェのような建物がお出迎え。

その向こうには赤い灯台船があります。この灯台船は今は音楽スタジオをして使われているようでした。

トリニティブイワーフ内のコンテナシティ

そしてお目当てのトリニティブイワーフにあるコンテナシティ!

圧巻です。もうおもちゃのような組み立て方。地震や台風を恐れない(?)自由な建て方。

何台のコンテナが使われているのか。複雑に組み合わさったコンテナは細い柱で支えられています。

一見して5階建てであることがわかりますが、見ていてヒヤヒヤしてしまいました。

裏にもあり、ガラスの通路で繋がっています。真ん中の縦長のコンテナは、横から覗いた限りではエレベーターか階段になっているようでした。

各部屋は貸し出しが行われているようで、スクールのようなものから、画廊のようなものが見えましたが、この日はほとんど人がおらず、静かで自由に入れる感じではありませんでした。

コンテナを利用したミュージックボックス

この写真の左横にはコンテナを使った音楽スタジオが。

コンテナシティ、ミュージックボックスからもう少し奥に進むと、この写真の左の建物。これがThe Riverside Buildingです。

巨大なコンテナ建築物のひとつ、リバーサイドビルディング The Riverside Building

2005年に建てられたコンテナシティプロジェクトのひとつ、リバーサイドビルディングです。5階建てで24のオフィススペースが設けられています。

内部は視察できませんでしたが、ただのコンテナビルではなく、環境を考慮した雨水の採取や自然換気、採光システムがあるそうです。

写真の左側が港に面した方向で、右側は一枚上の写真側です。

コンテナを使用していることはわかりますが、ここまで来るとコンテナというよりもビルですね。

日本にもコンテナではありませんが、このような感じのビジネスホテルがありますが、イメージ的にはそれに近いと思います。

最新のコミュニティハウス クリッパーハウス CLIPPER HOUSE

極めつけはこちら、クリッパーハウス!これまた巨大なコンテナビルです。

2012年のロンドンオリンピックで使われたオリンピック放送スタジオからリサイクルされたコンテナハウスなのでかなり新しい建物です。

エアコン室外機の取り付け。修理、交換になった場合にはちょっと大変そうです…

ベランダは決して広くないので、広さと景観を守るためでしょうか。

海に面した港側はモダンな仕様です。ガラスを多くして採光も良さそうです。この日は2018年4月14日の土曜日だったからか全てが閉まっていました。

もしかしたら平日に来たら盛況だったのかもしれません。

以下の公式動画もかなり面白いです。非常に参考になると思います。

因みにこの後ろの港側では会社のパーティーのような催しが行われていて、写真は自粛しました。

今回訪れた日は会社のパーティーのような催し物以外では閑散としていましたが、クリッパーハウスはMBNAテムズクリッパーズ(テムズ川クルーズ)の本部、イーストロンドン大学やロイヤルドローイングスクール、クリエイティブな企業の本拠地としても使われているそうですので、平日は多くの人で賑わうのではないでしょうか。

世界でのコンテナの使い方を日本の建築基準法と照らし合わせながら、よりよいものへとデザインしていきたいと思います。

次回はおまけとしてドバイのコンテナショップレポートをお届けします。

ABOUTこの記事をかいた人

CONTAINER BASE編集長 松浦

キャンプ大好き30代後半のコンテナベース編集長。コンテナハウス企画・製造・販売に関わり、「見慣れたものではない、面白いものを作ることができる」ことを知ってほしいと、コンテナベースから情報発信していくことになりました。